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使用後の横断幕・懸垂幕のアップサイクルについて考える

オリジナルデザインの横断幕・懸垂幕を製作するにあたり、生地・素材えらびは強度や耐久性に係わるとっても重要なポイントです。

オーダー幕では、横断幕・懸垂幕の素材として「ターポリン」「トロマット」「メッシュ」3つの生地をご用意しております。なかでも、紫外線による日焼け・色あせに強く、優れた防水性・防炎性と高い強度・耐久性を持つターポリンは人気No.1の定番素材となっています。

ターポリンとは、織物などに塩ビシートを組み合わせた塩化ビニル系多層素材になります。布や塩ビシート単体の生地と比べると、物理的なダメージに強く丈夫で耐久性があります。さらに、印刷性、耐候性、防汚性にも優れているため屋外・屋内問わず長期常設にピッタリな素材です。

塩化ビニル樹脂といえば、近年 問題視されている地球温暖化など環境に悪影響を与える危険な素材というイメージを持たれている人も少なくありません。しかし、ターポリンなどの素材に使用されている塩化ビニル樹脂の多くが地球上にたっぷりと存在する天然の塩を由来とする塩素が60%も使用されていますので、ほかのプラスチック樹脂と比べて環境に優しい素材と言えます。

このようにヒトと地球環境に優しいターポリンの開発や意識の向上は、時代と共に日々進歩しています。

しかし、どんなにヒトと地球環境に優しい素材であっても、経年劣化や自然災害などによるダメージよってボロボロになってしまった横断幕・懸垂幕を使い続けることは難しく、いずれ廃棄となってしまいます。

 

国内外の横断幕・懸垂幕のアップサイクル活動

スイス発のエシカルブランド「FREITAG」は、「エシカル」や「サスティナブル」といった言葉が世界中の人々に浸透するよりも前から、役目を終えて廃棄される運命だったターポリンを生地に使ったバッグを作り続けています。

Photo by Sophie Cardinale on Unsplash

 

Photo by Claudio Schwarz | @purzlbaum on Unsplash

Photo by Claudio Schwarz | @purzlbaum on Unsplash

FREITAGでは、1993年のブランド立ち上げ当時から一貫してトラックに使われていたターポリンを回収してバッグに作り変えてしまうアップサイクルに取り組んでいます。必要以上にモノが生産され、消費・廃棄される大量消費社会ではリサイクルの対象となる資材・素材などはたくさんありますが、アップサイクルによってライフスタイルに新たな価値観の提供をしているブランドは非常に稀であり、いまでは世界的なエシカルブランドとして、世界中にアップサイクルの可能性を発信し、インスピレーションを与え続けています。

数年前から世界中の国や地域で、役目を終えたターポリン素材の横断幕・懸垂幕をバッグや小物など新たな価値を持ったアイテムへと作りかえられるアップルサイクル活動の取り組みが実施されています。

しかし、残念ながらアップサイクル活動の多くが各自治体やメーカによる単発的な活動で留まっているのが現状です。

オーダー幕では、お客様が一生懸命にデザインされた大切な横断幕・懸垂幕だからこそ、役目を終えてしまった横断幕・懸垂幕にもう1度活躍のチャンスを与えたいと考えています。

役目を終え廃棄されるのを待っているターポリン素材の横断幕・懸垂幕に新たな価値と魅力をプラスして、とってもクールでスタイリッシュな製品へと変身させているFREITAGの情熱とクリエティブ力の姿勢に、一般的なプリント会社としてだけではなく、横断幕・懸垂幕への新たな価値づくりを社会に対してどんどん提案していかなければいけないと感じています。

 

オーダー幕.comができること?

オーダー幕.comとしては、経年劣化や自然災害などによって使い物にならなくなってしまったターポリン素材の横断幕・懸垂幕の二次活用として、ターポリンの特性を活かし社内でのエコバッグ、ゴミ袋活用などにアップサイクルしています。

アップサイクルとは、使わなくなったモノや使えなくなってしまったモノに新しい価値プラスすることで、まったく別の新しい製品へとアップグレードして生まれ変わらせることです。

まだまだ取り組むことのできる活動はたくさんありますが、まずは使用後の横断幕・懸垂幕の端材を使ったアップサイクルの小さな取り組みの準備を始めています。

 

横断幕・懸垂幕も工夫次第で新たな価値をプラスできる!

新型コロナウイルスの感染拡大により、日本ではこれまで以上にヒトや社会との繋がりや自然との共存というサーキュラーエコノミーへの意識が高まりつつあります。

オーダー幕.comでは、これまでの「プリント・納品で終わる」という形式的なお客様との繋がりを見直し、いままで以上にお客様との繋がりを大切にできるよう、サプライチェーンの再構築や新たなビジネスモデル・新商品開発に力を注いでいきたいと思っています。